藻場(ウィードエリア)の攻め方|春イカは藻にいる、でも藻に引っかけたら終わり

春イカを釣りたければ、藻場を避けては通れません

秋イカと春イカの記事で「春は場所が限定的」と書きました。その限定的な場所の代表が藻場です。

アオリイカは産卵のために浅場の海藻帯に接岸します。ホンダワラやアマモに卵を産みつける習性があり、産卵を意識した春イカは藻場の周辺に集まります。「春イカ探しは藻場探し」と言われるのはこのためです。

ただし藻場はエギンガーにとって厄介な場所でもあります。カンナに藻が引っかかる、根がかりでエギをロストする、底が取れない——藻場を攻められるかどうかが、春エギングの釣果を大きく左右します。


なぜイカは藻場にいるのか

アオリイカが藻を好む理由は産卵だけではありません。

産卵場所:ホンダワラやアマモの枝に卵を産みつけます。アオリイカの卵は房状で、海藻に絡みつくように産みつけられます。

身を隠す場所:藻場はイカにとって外敵から身を隠す絶好の場所です。藻の間に潜んで、通りかかるベイトを待ち伏せします。

ベイトが集まる:藻場には小魚や甲殻類が多く、イカのエサが豊富です。

つまり春の藻場はイカにとって「産卵もできて、隠れられて、エサもある」という最高の環境です。だから集まるわけです。


藻の種類を知っておく

すべての藻がイカを集めるわけではありません。産卵に適した藻とそうでない藻があります。

ホンダワラ(最重要)

岩礁帯に生え、枝に気泡を持っているため水中で直立して大きく成長します。水面まで伸びることもあります。アオリイカが最も好む藻で、ホンダワラが密集して生えている場所は春イカの一級ポイントです。堤防の基礎石にも生育します。

アマモ

砂地の底に生育する細長い緑色の海草です。ホンダワラほどの爆発力はないとされますが、潮通しが良い場所のアマモ場にはイカが回遊してくることが多いです。近年はホンダワラが磯焼けで減少しているエリアもあり、アマモの重要性が増しています。

カジメ・アラメ

外洋に面した深場に生えます。特定のエリアではイカが集まることがありますが、ホンダワラやアマモに比べるとポイントが限定的です。

ワカメは×

ワカメは水温が上がると枯れて消えてしまうため、アオリイカは産卵場所として好みません。ワカメだけの場所は期待薄です。


藻場の攻め方:3つの基本パターン

パターン1:藻の上を通す

藻が水面近くまで伸びている場所では、藻の上のレンジをエギで通します。軽めのシャクリでエギを跳ね上げて、テンションフォールで藻の面ギリギリまで沈める。藻に触れる手前でまたシャクる。

藻の中に潜んでいるイカが、頭上を通過するエギに反応して飛び出してきます。ボトムを取る必要はありません。むしろボトムを取ろうとすると藻に引っかかるリスクが急上昇します。

パターン2:藻の切れ間(スリット)を通す

藻と藻の間には隙間(スリット)があります。この切れ間にエギをフリーフォールで落とし込む。藻の壁の間をエギが沈んでいく動きが、イカにとって非常に魅力的に映ります。

スリットを見つけるには偏光サングラスが必須です。水面の反射を消して、藻の配置を確認できるかどうかで、攻め方の精度が全然変わります。

スリットに落としたら、着底したかどうかに関わらず数秒ステイしてから軽くシャクリ上げてください。藻の中からイカが出てきて抱くパターンが多いです。

パターン3:藻場の手前(ブレイクライン)を攻める

藻場に直接エギを入れるのが怖い場合は、藻場が途切れるライン(ブレイクライン)を攻めてください。藻場の端は、イカが産卵場と回遊ルートの境界線を行き来する場所です。

藻場の手前にエギをキャストして、藻場に向かってサビいてくる。藻の際に到達したらフォールで見せる。イカが藻場から出てきて抱くことがあります。


レンジを上から刻む

藻場ではいきなりボトムを取りにいかないでください。

まず表層から探り始めて、反応がなければ中層、それでもだめならボトム付近——と、上から順にレンジを刻みます。活性が高いイカは表層や中層でもエギに反応するため、藻に引っかけるリスクを冒す前に拾える個体を先に獲ってしまう考え方です。

最初の数投で表層〜中層に反応がないと分かったら、そこからパターン1〜3を使ってより藻に近いレンジを攻めていきます。


藻に引っかけたときの対処

どれだけ気をつけても藻に引っかかることはあります。

引っかかったら、まず引っ張らない

力任せに引くとカンナが深く食い込んで取れなくなります。まずラインを緩めてエギの自重で外れるか試してください。外れないときはロッドを煽る角度を変えて、横や下からテンションをかけてみます。

カンナに藻が付いたまま釣りを続けない

カンナに藻がひとかけらでも付いていると、イカは抱きません。エギが不自然な動きをする上に、カンナに藻が付いた状態ではフッキングしません。引っかかったら必ず回収して確認してください。


藻場向きのエギ選び

シャロータイプ(スローフォール)

藻が多いエリアではフォールが速いエギはすぐに藻に突っ込みます。シャロータイプのゆっくり沈むエギを使うことで、藻の上のレンジを長くキープできます。

3.5号がメイン

春の大型イカがターゲットなので、秋イカの記事で書いたように3.5号が基本です。

ロスト覚悟の心構え

藻場では根がかりロストが避けられません。ハイエンドのエギを藻場に投げるのは心理的にきついです。ミドルクラスのエギを複数持って、ロストを計算に入れた上で攻めてください。


藻場の見つけ方

干潮時に下見する

干潮時は水位が下がり、藻が水面に顔を出していることがあります。満潮時には見えない藻場が干潮時には確認できます。釣行前に干潮のタイミングで釣り場を下見して、藻の配置を把握しておくと有利です。

偏光サングラスで水中を見る

帽子・サングラスの記事でも書きましたが、偏光サングラスは藻場攻略でも必須です。水面の反射を消して、藻がどこに生えているか、スリットがどこにあるかを確認できます。

毎年同じ場所に生えるとは限らない

近年は磯焼けの影響でホンダワラが減少しているエリアがあります。昨年藻があった場所が今年はなくなっていることもあります。シーズン前の下見は毎年やる価値があります。


葵ちゃん

葵ちゃんのまとめ

藻場はエギングで最もエギをロストしやすい場所です。正直に言うと、わたしも春の藻場で何本エギをなくしたか数えたくないです。

でも藻場を避けると春の大型アオリイカには出会えません。「藻に近づくけど藻に入れない」という矛盾した作業を、レンジコントロールとフォールの精度でこなしていく。これが藻場攻略の本質です。

上から刻む。スリットを見つけて落とし込む。引っかかったらすぐ回収して確認する。この3つを意識するだけで、藻場での釣りが「運任せ」から「判断」に変わります。

偏光サングラスだけは絶対に持っていってください。藻場のエギングで偏光なしは、地図なしで知らない街を歩くようなものです。

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本記事は釣具店での接客経験をもとにした解説です。藻場の状況は地域・年・季節によって大きく異なります。釣行前に現地の状況を確認してください。