マゴチの釣り方|泳がせとルアーの基本をまとめました

マゴチはこういう魚です

マゴチは砂地の海底に張りついて、上を通る小魚やエビを待ち伏せして食べるフラットフィッシュです。平たい体で砂に紛れて、獲物が射程に入ったら一気に吸い込む。待ち伏せ型の捕食者です。

店長の記事で詳しく書いてありますが、マゴチには浮き袋がありません。浮き袋がないから底から離れられないし、離れる必要もない。底に張りついていることにエネルギーを使わない分、待ち伏せに全振りした魚です。そしてマゴチの目は頭の上についています。上を通るものに反応する。この2つの特徴が、釣り方のすべてを決めています。

シーズンは夏。6月から9月が本番で、特に7・8月が最盛期です。「照りゴチ」という言葉がある通り、真夏の日差しが照りつけるような日に活性が上がります。ヒラメが冬に旬を迎えるのに対して、マゴチは夏の魚。同じフラットフィッシュでも、狙う季節が真逆です。

ポイントは砂地。サーフ(砂浜)、河口、港内の砂底、砂地が隣接する堤防。底が砂であればマゴチがいる可能性があります。砂に擬態して動かないので、マゴチがどこに潜んでいるかは見た目では分かりません。だから広い範囲を探って、マゴチの頭上を通過させる回数を増やすことが釣果につながります。


泳がせ釣り

マゴチの泳がせ釣りは、活きた小魚をエサにして底で待つ釣りです。ルアーと比べてアクションの技術が不要なので、初めてマゴチを狙う方にも取り組みやすい釣り方です。

タックル

竿は投げ竿(25〜30号)か、シーバスロッド(9〜10フィート)。遠投してサーフを広く探るなら投げ竿、港内や堤防の足元を狙うならシーバスロッドで十分です。

リールはスピニングリール。投げ竿にはサーフキャスト用の大型リール、シーバスロッドには3000〜4000番を合わせます。

道糸はPE1〜2号。リーダーはフロロカーボン5〜6号を1メートルほど。マゴチのエラには鋭い棘があって、取り込み時にラインが擦れることがあるので、リーダーは太めにしておくと安心です。

仕掛け

遊動式のL字天秤(10〜20号)に、ハリスはフロロカーボン4〜5号を50センチ前後。針はスズキ針17号か丸セイゴ15号の1本針が基本です。マゴチ・ヒラメ用の泳がせ仕掛けが市販されているので、最初はそれを使うのが確実です。

エサ

マハゼが定番です。マゴチのいる砂地のすぐ近くに棲んでいる魚なので、マゴチが日常的に食べているエサそのもの。お店では銀平(養殖ウグイ)も通年で扱っています。釣り場でサビキで釣った小アジをそのまま使うこともできます。

活きエサの調達・管理については活きエサの調達・管理・持ち運びにまとめてあるので、そちらも参考にしてください。

エサの付け方は、上唇に針をチョン掛けするのが一般的です。エサが泳ぎやすく、針が外れにくいバランスの良い掛け方です。背掛けでも構いませんが、マゴチはエサを頭から吸い込む傾向があるので、口周りに掛けたほうがフッキングしやすいです。

泳がせのエサは、底から浮きすぎないことが大事です。マゴチの目は上向きについているので、底付近を泳いでいるエサには反応しますが、中層まで浮いてしまうと視界から外れます。オモリで底に留めつつ、エサが底付近で自由に泳げる長さにハリスを取ります。

釣り方

仕掛けを投げたら、竿を置いて待ちます。エサが底で泳いでマゴチにアピールしてくれるので、基本的には待ちの釣りです。竿先に出るアタリを見て合わせます。

ここで大事なのが「マゴチ20」という言葉です。マゴチはエサを見つけると、まず噛みついて押さえ込みます。これが前アタリ。竿先がコツコツと揺れたり、少し引き込まれたりする。ここで合わせると、まだエサを飲み込んでいないので掛かりません。

前アタリが出てから20秒ほど待ちます。マゴチがエサを口の奥に送り込むのに時間がかかる。20秒待って、竿先がグーッと持ち込まれる本アタリが出たら、そこで合わせます。

この待ちの時間が、泳がせ釣りでいちばん緊張するところです。

先輩はキス釣りのかたわらに置き竿でマゴチを狙っていたとき、マゴチの前アタリが出た瞬間に、手持ちのキス竿にもいいアタリが入ったそうです。マゴチは待てという話だから、先にキスを釣り上げた。それからマゴチの竿に取りかかったら、3分近く待たせたのにちゃんと食い込んでいた。「マゴチ20」どころか「マゴチ180」です。待ちすぎてもエサを離さないこともあるので、前アタリで慌てて合わせるよりは、じっくり構えたほうが結果的にうまくいきます。

1尾釣れたらもう1尾

マゴチにはつがいで行動する習性があります。特に産卵期の夏はオスとメスがペアで浅場に入ってきていることが多い。1尾釣れたら、すぐに同じ場所にもう一度仕掛けを入れてください。ペアの片方が残っている可能性があります。

先に大きい個体が釣れて、次にやや小さい個体が来たら、メスとオスの夫婦を釣り上げたのかもしれません。マゴチはメスのほうが大きく育ちます。


ルアー釣り

マゴチはルアーへの反応も良い魚です。同じフラットフィッシュのヒラメに比べると、ルアーで釣りやすいとも言われています。ボトム付近をしっかり通せば、反応してくれることが多い。

タックル

ロッドは9〜10フィートのシーバスロッドか、フラットフィッシュ専用ロッド。サーフからの遠投が必要なら10フィート、港内なら9フィートで十分です。

リールはスピニングの3000〜4000番。道糸はPE0.8〜1.5号。リーダーはフロロカーボン4〜5号を1メートル前後。

ルアーの種類

マゴチに使うルアーは、大きく3つです。

ジグヘッド+ワームがいちばん汎用性が高い。ジグヘッド10〜20グラムに、4インチ前後のシャッドテールワームやピンテールワーム。ボトム付近をゆっくり引くマゴチ狙いに合った組み合わせです。迷ったらこれから始めてください。

メタルジグは遠投して広く探りたいときに使います。20〜40グラム。サーフで広範囲を手返しよく探るのに向いています。

シンキングミノーやバイブレーションは、ボトムから少し浮いた層を横方向に引くときに使います。活性が高い時間帯にテンポよく探りたい場面で出番があります。

アクション——なぜその動かし方が効くのか

マゴチはボトムに張りついている魚なので、ルアーもボトム付近を通すのが基本です。

ずる引き。 ルアーを着底させて、底を引きずるようにゆっくりリールを巻く。日中やマゴチの活性が低いときに有効です。マゴチは砂に擬態してじっとしているので、底を這うように動くものに自然に反応します。

リフト&フォール。 ロッドを軽く上げてルアーを底から浮かせ、そのまま落とす。マゴチにとっては「頭上を何かが通過して、目の前に落ちてきた」という状況です。待ち伏せ型の捕食者は、動きが止まった=獲物が油断した瞬間に襲いかかる習性があります。フォール中や着底直後にアタリが出ることが多いのはこのためです。ラインの変化に集中してください。

ストップ&ゴー。 リールを数回巻いて止める、を繰り返す。止めたときにルアーがふわっと沈む動きが食わせの間になります。マゴチの目は上向きについているので、底をべったり引くよりも、少し浮いた状態から落ちる動きのほうが視界に入りやすい。ただ巻きで通すより、止めの間を意識的に作るほうが反応が出ます。

どのアクションでも共通しているのは、ボトムから離しすぎないこと。マゴチは底から飛びつくように捕食しますが、その射程距離は長くありません。底から50センチ以内を意識してください。


共通のコツ

時間帯

朝マズメと夕マズメが基本です。光量が変わるタイミングでマゴチの活性が上がります。

ただしマゴチは「照りゴチ」と言われるように、真夏の日中にも釣れます。カンカン照りの暑い日に底の水温が上がると、マゴチが動き出すことがある。他の魚種では日中に活性が落ちるのが普通ですが、マゴチは例外的に昼間もチャンスがあります。暑さ対策は必須です。

取り込み

マゴチは取り込みでバレやすい魚です。上顎が非常に硬く、針が貫通しにくい。加えて、水面近くで激しく首を振るので、針が外れやすい。

ランディングネット(タモ網)を必ず用意してください。抜き上げようとすると、水面で首を振った瞬間にバレます。足場が高い堤防では特に注意です。

サーフで釣った場合は、波に乗せて砂浜にずり上げる方法(サーフランディング)が使えます。無理に抜き上げず、波のタイミングに合わせてゆっくり寄せてください。

マゴチのエラ蓋には鋭い棘があります。素手で持つときはエラに触らないように、下顎を持つか、フィッシュグリップを使います。


葵ちゃん

葵ちゃんのまとめ

マゴチは底にしかいない魚です。浮き袋がなくて底から離れられない代わりに、底の世界では最強の待ち伏せ捕食者。だから釣る側もボトムを丁寧に攻めることが全てです。

泳がせで狙うなら、活きエサの管理が釣果を左右します。活きエサの記事を読んでから準備すると、当日に慌てません。ルアーで狙うなら、底を通して止める。「なぜ止めると食うのか」が気になったら、店長のマゴチ生態記事を読むと腑に落ちると思います。

釣れたマゴチの食べ方はマゴチ料理の記事に。夏の砂浜、足元にマゴチがいるかもしれないと思うと、ちょっとどきどきします。