釣り場で食べるごはんの話|前編:コンビニ飯を超えたとき、釣りがもっと楽しくなる
釣り場のごはん、ちゃんと考えていますか
釣りの準備をするとき、タックルとエサとウェアは真剣に選ぶのに、ごはんは「コンビニで何か買う」で済ませていませんか。
わたしもそうでした。最初の頃はおにぎり2個とペットボトルのお茶。それで朝から昼過ぎまで粘って、帰りに空腹でラーメン屋に飛び込む。釣果がよければ気にならないんですが、釣れなかった日にコンビニおにぎりだけだと、帰りの電車がちょっと寂しいんですよね。
ある日、常連のお客さんが「俺は釣り場でカレー食うよ」と言ったのを聞いて、それ以来ごはんのことを真剣に考えるようになりました。
現地調達の定番と、正直な限界
釣り場の近くにコンビニがあれば、それはありがたいです。おにぎり・サンドイッチ・カップ麺・肉まん。手軽で確実で、補給という意味では十分です。
ただ正直に言うと、限界があります。
夏は食べ物が傷みやすい。冬は冷たいものが体に堪える。長時間釣行だと途中で飽きる。そしてなにより、せっかく海の前にいるのになんか普通すぎる。
特に冬の堤防で冷えた体に冷たいおにぎりを食べるのは、美味しいというより「補給作業」です。エギングで2時間シャクった後に冷たいおにぎりを食べて、また2時間シャクる。それでいいのか、という気持ちが出てきたのが転機でした。
バーナー1つで世界が変わりました
わたしの釣り場ごはんが変わったのは、シングルバーナーとクッカーを持ち歩くようになってからです。
荷物としてはそれほど大きくなく、ガスカートリッジ込みでも500mlのペットボトルよりちょっと重いくらい。これをタックルバッグに入れておくだけで、お湯が沸かせます。
お湯が沸くだけで何ができるか。
インスタントラーメン。レトルトカレーを温めてご飯にかける。コーヒーを淹れる。カップスープを飲む。冬の堤防で熱いカップラーメンをすすりながら竿を眺める——これだけで、釣れなかった日でもかなり満足度が変わります。
先輩はクーラーボックスにお湯を入れた水筒を突っ込んで持って行くスタイルです。「バーナーは荷物になる」と言っていて、投げ釣りのランガンには確かにそっちの方が合理的です。わたしはバーナーで淹れたてのコーヒーが飲みたい派なので、ここは好みの問題ですね。
特においしいのは、その日釣れた魚を現地で食べるパターンです。アジが釣れたらその場で開いてバーナーで炙る。キスなら塩焼き。カサゴなら串に刺して焼く。包丁・まな板・塩さえあれば成立します。
釣りたてをその場で食べる体験は、家に持ち帰って料理するのとは別物の美味しさがあります。
釣り場の近くにある「ご当地飯」も見落とさないで
もう一つ見落とされがちなのが、釣り場の近くにある食堂や地元のご飯です。
港の近くには漁師飯や海鮮丼を出す店がある。地場の魚を使った定食屋が港沿いにある。道の駅で地元の食材が買える。
釣りが一段落したタイミングで近くの食堂に入る。その場所でしか食べられないものを食べる。これも釣り旅行の醍醐味です。
先輩の茅ヶ崎ボウズレポートには「反省会ラーメン」が出てきますが、あれは「釣れなかったけど美味しいものを食べた」という形で一日を肯定的に締めくくっています。釣果ゼロでもご飯が良ければ帰りの車は悪くない、というのは本当だと思います。
釣り場を選ぶとき、「近くに何が食べられる場所があるか」も一緒に調べる習慣をつけると、釣行の組み立て方が少し変わります。

葵ちゃんのまとめ
釣り場でのバーナー使用は風・周囲の状況に注意してください。火気厳禁の釣り場では使用できません。現地のルールを必ず確認してから行動してください。
わたしの釣り場ごはんの定番は、シングルバーナーで淹れるドリップコーヒーと、家で握ってきたおにぎりです。凝ったものは作りません。でもコンビニおにぎりと挽きたてのコーヒーでは、同じおにぎりでも気分が全然違います。
釣り場のごはんは「釣りのついで」ではなくて、一日の釣行を構成する要素のひとつです。少し工夫するだけで、釣れなかった日の帰り道が変わります。
後編では、デリバリーを釣り場に呼ぶ話と、持ち込み料理のアイデアを書きます。