自転車で釣りに行きたい|投げ竿は積めない、国道は怖い、青切符も始まる
自転車で片瀬海岸まで20分
藤沢から片瀬海岸まで、自転車で20分くらいです。
辻堂・茅ヶ崎方面にはサーフも広がっていて、地元の特権を活かしてサーフ投げ釣りを始められないか、検討してみたことがあります。電車に乗るより楽だし、駐車場代もかからない。短時間の朝練に行って帰ってこられる。理屈の上では、自転車でサーフ投げ釣りデビューは最高の選択肢のはずでした。
でも諦めました。理由は3つあります。
自転車釣りの3つの制約
①投げ竿が長すぎる
サーフ投げ釣り用の竿は4m級が一般的です。仕舞寸法でも1.4m前後あって、ママチャリに積むのは現実的ではありません。
道路交通法では、自転車の積載物に長さの制限があります。荷台から30cm以下のはみ出しまでが許容範囲です。投げ竿の仕舞寸法は荷台に対して大きくはみ出します。
つまり、投げ竿を自転車で運ぶこと自体が、道路交通法に抵触する可能性が高い。サーフ投げ釣りデビューは、まず竿の運搬で詰みました。
ちなみに先輩に「一番高い釣具って何ですか?」と聞いたら「車」と返ってきました。冗談みたいですが、長い投げ竿と重装備を運ぶには車が結局必要、という意味では本質を突いた回答です。
仕舞寸法の短い投げ竿という選択肢
ただ、投げ竿には振出(ふりだし)の多節タイプがあります。4本継や6本継のロッドは、仕舞寸法が60〜90cm程度まで短くなります。ダイワやシマノからも、コンパクトロッドとして各社のラインナップに揃っています。
仕舞寸法60cmならリュックに収まりますし、90cm前後ならロッドケースに入れて自転車に固定できる範囲です。法令上の積載物制限もクリアできます。
ただし、コンパクト化にはトレードオフがあります。
- 飛距離が落ちる(一般的な4m4本継より、競技用4m2本継のほうがよく飛ぶ)
- 継ぎ目が増えることでロッドの感度が落ちる
- 強度に不安が出る場合もある
- 本格的なサーフ遠投を目指す人には物足りない
「とりあえずサーフでちょい投げを試したい」レベルなら、4〜6本継のコンパクトロッドは十分選択肢になります。「本格的にシロギスを遠投で狙いたい」となると、車での移動を前提にしたほうがいいです。
ロッドの問題は、買う竿を選び直せばクリアできます。問題は他の制約のほうです。
②国道の交通量が多すぎる
藤沢から辻堂・茅ヶ崎方面に向かうには、国道134号や国道1号を走ることになります。
ママチャリで走れる雰囲気ではありません。トラックがすぐ横を抜けていく道で、釣具を載せたまま長距離走行する勇気はないです。
「車道を走るのが原則」とは分かっていても、安全に走れない道もあります。
③装備が多すぎる
サーフ投げ釣りで必ず積まないといけないのは、竿とサイドボックス付きクーラーです。サイドボックスがあれば、タックル・餌・小物をクーラーに集約できて荷物の数は減ります。ただし、サイドボックス付きクーラーは大きすぎて、ママチャリには載りません。
自転車に最適化した小さなクーラーを用意して、最低限の仕掛けと餌だけ入れていくとしても、コンパクトロッドと小型クーラーの組み合わせで成立するのは「ちょい投げ」レベルの軽装備までです。本格的なサーフ投げ釣りの装備は、自転車では運べません。
2026年4月から始まった「青切符」も無視できない
これに加えて、2026年4月から自転車の交通違反に**反則金(青切符)**が適用されるようになりました。
警視庁の発表によると、令和8年4月1日から自転車にも交通反則制度が導入されています。
政府広報オンライン、警察庁など複数の公式情報源で確認できる主な変更点は、
- 信号無視
- 一時不停止
- 歩道通行(条件外)
- 並走(並進禁止違反)
- ながら運転(スマホ・携帯)
- 右側通行
これらが反則金の対象になりました。113項目に及ぶ軽微な違反が対象です。
釣り場に向かう自転車で気をつけたい点を整理すると、
スマホで地図確認:走行中はNG。停止してから見る スマホで潮汐確認:これも走行中はNG 歩道走行:原則禁止、車道を走る 信号無視:朝の人通りが少ない時間でも厳格適用 夜間の無灯火:早朝・夕方の釣行で見落としがち
「自転車だから少しくらい大丈夫」が通用しなくなった時代です。
ヘルメットの努力義務
ヘルメット着用は2023年4月から全年齢で努力義務化されています。罰則はありませんが、政府広報オンラインによると、自転車乗車中の死亡事故では死者の約5割が頭部を負傷しているとのこと。
釣具を載せた状態で交通量の多い道を走るなら、ヘルメットは実質必須です。
自転車釣りで成立する釣りスタイル
3つの制約と道路交通法の現状を踏まえると、自転車釣りで現実的に成立するスタイルは限られます。
①ライトソルト(アジング・メバリング)
- ロッド:1〜2ピース、仕舞寸法90cm以下
- リール:小型スピニング1台
- ルアー:ジグヘッド+ワーム、メタルジグ少々
- 餌:不要
- クーラー:小型保冷バッグで十分
夕マズメから夜にかけて、堤防で1〜2時間勝負。自転車釣りに最も向いているスタイルです。
②エギング
- ロッド:1〜2ピース、仕舞寸法100cm前後
- リール:中型スピニング1台
- エギ:数本
- 餌:不要
秋シーズン限定ですが、装備の軽さは自転車釣り向きです。
③テナガエビ・ハゼ釣り
- 竿:のべ竿(仕舞寸法30〜50cm)
- 仕掛け:シンプル
- 餌:赤虫・ミミズ少量
- バケツ:小型
藤沢なら境川河口でテナガ・ハゼが狙えます。装備が極端に小さい。子供と一緒の釣行にも向きます。
④チニング(黒鯛のルアー釣り)
- ロッド:ベイトかスピニング、1〜2ピース
- リール:1台
- ルアー:チヌ用ジグヘッド数本
港湾部・河口部で狙えます。装備極小。
⑤サーフルアー(ヒラメ・マゴチ・青物)
- ロッド:9〜10フィートの2ピース(仕舞寸法140〜155cm)、またはコンパクトジギングロッドの4本継(仕舞寸法90cm前後)
- リール:中型スピニング1台
- ルアー:メタルジグ・ミノー・ワーム数本
- 餌:不要
- クーラー:小型〜中型でOK
サーフ投げ釣りは自転車では難しいですが、サーフルアーは成立します。餌を使わないので装備が大幅に軽くなります。ヒラメ・マゴチ・青物・シーバスも狙えるので、ターゲットの幅も広い。
ただし、サーフルアー専用の10フィート超のロングロッドは、コンパクト収納型(4本継以上の振出・並継)の選択肢がほぼありません。自転車運搬を前提にすると、コンパクトジギングロッドの4本継(仕舞寸法90cm前後)を流用することになります。本来のサーフルアー専用ロッドより短いので、飛距離や波打ち際でのロッド操作で物足りなさが出ます。本格的にサーフルアーをやり込みたい人は、車での移動を前提にした方がいいです。
「藤沢から自転車で15分のサーフで、夕マズメのヒラメ狙い」みたいな運用が現実的です。地元の特権を活かす意味では、投げ釣りよりサーフルアーのほうが自転車釣り向きです。
⑥コンパクトロッドでちょい投げ
- ロッド:4〜6本継の投げ竿、またはコンパクトジギングロッド(仕舞寸法60〜90cm)
- リール:中型スピニング1台
- 仕掛け:ちょい投げ用の天秤+仕掛け
- 餌:ジャリメ・アオイソメ少量
ジギングロッドの硬さでちょい投げ仕掛けを投げる方法もあります。本格的な投げ釣りの飛距離は出ませんが、近距離のキス・メゴチ狙いなら十分です。タックルが極端に軽くまとまるので、自転車に積めます。
諦めるべきスタイル
自転車釣りでは、これらは現実的に無理です。
- 本格的なサーフ遠投:4m級の竿、サイドボックス付きクーラー、餌バケツのフル装備は運べない
- 磯釣り:磯場までのアプローチで自転車が使えない
- 船釣り:大型クーラーが必須で、自転車では運べない
- 遠征釣り:自転車では到達できない
「本格的なサーフ投げ釣りを諦めて、サーフルアーかライトソルトかエギングに切り替える」が、自転車釣りの最適解だと思います。

葵ちゃんのまとめ
本記事の道路交通法の情報は、警視庁・警察庁・政府広報オンラインの各公式発表を参考にしています。法令は変更される可能性があります。最新の情報は各公的機関の発表をご確認ください。
自転車釣りは魅力的ですが、
この4つを踏まえると、「サーフ投げ釣りは諦めて、ライトソルトかエギングかテナガに切り替える」のが現実解です。
わたしは元々エギング・ライトソルト派ですが、サーフが近い藤沢に住んでいるから、自転車でサーフ投げ釣りを始められたら楽しいかも、と検討した時期がありました。結果として、自転車では投げ釣りは成立しない、という結論に至りました。エギングを続ける消去法的な動機の1つでもあります。
先輩は4m級の投げ竿を持っているので、自転車釣りは選択肢に入っていません。「自転車で行ける範囲は諦めた」とのこと。専門性を絞った釣り人ほど、自転車釣りの制約は厳しくなります。
逆に、これからライトソルトやエギングを始める人には、自転車釣りという選択肢が開かれています。「投げ釣りはやらないけど、近所で軽く釣りたい」という人にとって、自転車釣りは生活と釣りを繋ぐ良い選択肢です。
道路交通法を守って、ヘルメットを着けて、軽い装備で。これが2026年以降の自転車釣りの最適解です。