釣れた魚で飲む|お酒別・魚介との相性ガイド
今夜のつまみを迷っています
店長から高級ジャパニーズウイスキーをもらいました。エヘヘ。
さて、つまみを何にするかです。冷蔵庫に鯖の水煮があったので一瞬考えたんですが、やめました。正解でした(たぶん)。結局チョコレートをつまみながらこの記事を書いています。
「酒の肴」とはよく言ったもので、日本のお酒のつまみといえば魚介が中心です。でも釣り人なのに、釣れた魚を何のお酒と合わせるか、ちゃんと考えたことがありませんでした。
ビールに合う魚、日本酒に合う魚、焼酎に合う魚、ワインに合う魚介料理。釣り人ならではの視点で整理してみます。
まず「なぜ合う・合わないが生まれるか」
難しい話は抜きにしたいのですが、一つだけ覚えておくと選びやすくなる知識があります。
魚介とお酒の相性を決める大きな要因は「鉄分」と「酸」です。
赤ワインには鉄分が含まれていて、魚介の脂質と反応して生臭さを引き出してしまうことがあります。「魚に赤ワインは合わない」と言われる理由はここにあります。
一方、魚介類に含まれるうま味成分「イノシン酸」と日本酒に含まれるうま味成分「グルタミン酸」が相互作用し、うま味を増幅させる「うま味の相乗効果」が生まれることが科学的にも確認されています。刺身に日本酒が合う理由は、昔からの経験則だけでなく科学的な根拠もあったわけです。
レモンや酢などの「酸」は生臭さを抑える効果があります。カルパッチョにレモンを絞るのも、マリネに酢を使うのも、この原理です。
ざっくり言うと、
- 日本酒:魚介全般と相性がいい(うま味の相乗効果)
- ビール:揚げ物・炒め物との相性がいい
- 白ワイン:洋風調理(バター・クリーム・レモン)との相性がいい
- 赤ワイン:そのままでは魚介と合わせにくい(工夫が必要)
- 焼酎:干物・濃いめの味付けとの相性がいい
- ウイスキー:燻製・スモーク系との相性がいい
これを頭に入れて、釣れる魚別に見てみます。
ビールに合う魚介料理
アジ(フライ・竜田揚げ)
揚げ物とビールは最強の組み合わせ。アジフライのサクサクした衣と、ビールの炭酸と苦みが洗い流してくれる感覚。
小アジを100尾釣ってしまった週、アジフライを20尾揚げた日がありました。ビールが進みすぎて困りました。
シロギス(天ぷら)
シロギスの天ぷらはビールで食べたい。淡白な白身に薄い衣。キンキンに冷えたビールと一緒に食べると、揚げたての熱さとビールの冷たさのコントラストが気持ちいい。
メゴチ(天ぷら)
先輩から34尾もらった日は、全部天ぷらにしてビールで飲みました。江戸前三大天ぷらのひとつ。揚げ物ビールの王道です。
日本酒に合う魚介料理
アオリイカ(刺身)
日本酒と刺身は「うま味の相乗効果」が最も出やすい組み合わせです。アオリイカの甘みと、純米酒のうま味がぶつかる感じ。
釣り人しか食べられない新鮮なアオリイカの刺身を、良い純米酒と合わせる。これは最高の体験です。スーパーでは味わえない。
シロギス・マゴチ(薄造り・皮霜造り)
白身魚の繊細な甘みには、すっきりした日本酒が向いています。濃い日本酒より、吟醸系の香りがある方が合います。
マゴチは「夏フグ」と呼ばれる高級魚なので、薄造りには大吟醸を合わせてみたいと思っています(まだ実現していない)。
イシモチ(煮付け)
煮付けには日本酒が基本です。醤油・みりん・酒の甘辛い味付けと日本酒の親和性は、料理に酒を使っているという意味でも当然の相性です。
焼酎に合う魚介料理
イシモチ・アジ(一夜干し・干物)
干物には焼酎。これは居酒屋の定番ですが、自分で釣って干した魚の干物を焼酎で食べる、という体験は格別です。
干物は塩分と旨味が凝縮されているので、すっきりした焼酎の水割りかお湯割りで流す感覚が合います。
ヒイラギ(煮魚)
先輩から20尾もらったヒイラギを煮魚にした日、焼酎と合わせてみました。小さい骨だらけの魚を箸でちまちま食べながら飲む焼酎は、なぜか旨い。手間がかかるものと一緒に飲むと、時間をかけて飲める。
白ワインに合う魚介料理
アオリイカ・マゴチ(アクアパッツァ・バター炒め)
洋風調理には白ワインが向いています。アクアパッツァはトマト・アサリ・オリーブオイルで煮る料理なので、白ワインを料理に使いながら同じワインで飲むのが一番合います。
魚介には白ワインが材料として使われているソースが多く用いられるので、必然的に相性は抜群です。
シロギス・メゴチ(ムニエル・カルパッチョ)
シロギスは25cm級の大型が釣れた日に、ムニエルを試してみてください。バターとレモンで仕上げるムニエルには、酸のある白ワインが合います。いつもの塩焼きとは違う顔が出てきます。
メゴチは刺身にすると甘くて美味しい魚ですが、一手間加えてカルパッチョにするのもありです。オリーブオイルとレモンで和えると白ワインとの相性が際立ちます。
赤ワインは難しい
正直に言います。釣れる魚介と赤ワインの組み合わせは、そのままでは難しいことが多いです。
赤ワインに含まれる鉄分が魚の不飽和脂肪酸と反応することで生臭い成分を発生させることがあるためです。
工夫するとすれば、
- しょうゆとワインを混ぜた「ワインしょうゆ」で刺身を食べる
- わさびを一緒に使う(赤ワインの渋みを和らげる効果がある)
- 脂ののった魚(ブリ・カツオなど)に軽めのピノ・ノワールを合わせる
釣り人がよく釣る白身魚とは、正直なところ相性が出しにくいです。
ウイスキー・ハイボールに合う魚介料理
燻製・スモーク系
ウイスキーの樽香と燻製の煙の香りは同じ方向性なので、相性がいいです。アジの燻製、鮭のスモーク、スモークチーズと一緒に。
ただし今夜の冷蔵庫には燻製がありませんでした。

葵ちゃんのまとめ
飲酒は20歳になってから。お酒は適量を楽しんでください。本記事のペアリングは個人の感想と参考情報に基づくものです。
釣り人は魚介のつまみには困りません。でも何のお酒と合わせるかを意識すると、食べる楽しみが一段広がります。
まとめると、
釣った魚を料理して、それに合うお酒を選ぶ。これは釣り人だけが毎週楽しめる贅沢です。スーパーで買った魚では、ここまでの体験は難しい。
今夜の高級ジャパニーズは、燻製ができたらまた開けます。今夜はチョコレートで。