海に行く釣り人は洗車をした方がいい|臭いと塩害は別の問題です
「車内は臭くないから大丈夫」は半分だけ正解です
エギングはエサを使わないので、わたし自身は車内の臭い問題とは無縁です。アミエビをこぼした先輩とは対照的に、釣りから帰っても車内は普通の状態です。
ただ「車内が臭くない」と「塩害が起きていない」は別の話です。
毎週のように砂浜や堤防に車で乗りつけて、潮風を浴びて、濡れた荷物を積んで帰る——この繰り返しで車は着実に塩分にさらされています。臭いは気にならなくても、下回りの金属は塩分と戦い続けています。
この記事は「海釣りで車はどのくらいダメージを受けるか」と「洗車が億劫な人が最低限やること」の話です。
海の釣り場で車が受けるダメージ
車が海で受けるダメージは3つの組み合わせで発生します。
塩分:潮風に含まれる塩が車体に付着します。金属に塩分が付くと錆の速度が急激に上がります。通常の錆より進行が早く、気づいたときには広がっている、というのが塩害の厄介なところです。
水分:潮風の水分、波しぶき、砂浜の湿気。塩分単体より、塩分が溶け込んだ水分が金属に触れる方が錆が進みます。
紫外線:夏場の海辺の紫外線はボディ塗装を劣化させます。塗装が剥がれると下の金属が露出して、そこから一気に錆が広がります。
3つが重なる海辺は、車にとって過酷な環境です。
どこが一番やられるか:答えは下回り
ボディの汚れは見えるので気づきやすいですが、本当に問題になるのは下回りです。
サスペンション・マフラー・ブレーキ周り——足回りには錆びやすい金属パーツが集中していて、しかも塗装が薄いか剥き出しの部分が多い。走行するたびに飛び石で小傷がつき、そこに塩分が入り込む。目に見えない場所で着実に進行するのが塩害の怖いところです。
放置すると部品の交換や修理が必要になり、最悪の場合は車検が通らなくなることもあります。
ディーラーで「下回りの防錆塗装は万全です」と言われている車も、その塗装の効果を活かすには塩分を定期的に流す必要があります。なお国産車の場合、下回りの防錆塗装はオプションであることがほとんどです。新車購入時に施工しているかどうか、一度確認してみてください。値は張りますが、海釣りに定期的に行くなら新車購入時に施工しておく価値があります。後から追加するより新車時の方が塗装の効果が高く、長期的なコストを考えると合理的な選択です。防錆塗装は塩分を受け止める盾ですが、塩分を積み上げ続けていたらいつか限界が来ます。
洗車の優先順位
海釣り後の洗車で大事な順番はこうです。
1位:下回り
最優先です。サスペンション・マフラー・ホイール周辺に水をかけて塩分を流してください。コイン洗車場の「下回り洗浄オプション」を選べば、走り込むだけで下から高圧の水が当たります。500〜800円で数分。これが一番コスパが高い塩害対策です。
2位:ボディ
砂がついたままスポンジで擦ると小傷だらけになります。まず水をたっぷりかけて砂を流してから洗ってください。高圧洗浄機があれば理想ですが、ホースの先をつぶして水圧を上げるだけでも違います。
3位:ドアの内側・隙間
塩分は隙間にも入り込みます。ドアとボディの隙間、トランクの縁——普段の洗車では見落としがちな場所ですが、濡れたタオルで拭くだけで違います。
洗車の頻度
週1で海に行く場合、毎回が理想です。でも毎回は無理という方も多いと思います。
現実的な最低ラインとして「月2回、下回り洗浄オプション付きの洗車機を通す」ことをお勧めします。これだけで塩分の蓄積を大幅に抑えられます。
釣行後すぐが一番効果的です。塩分は乾くと固まって落ちにくくなります。帰り道にコイン洗車場に寄るルーティンを作れれば理想です。
洗車が億劫な人が最低限やること
それでも洗車が面倒という方に、ハードルを下げた提案をします。
ホースで下回りに水をかけるだけ:洗剤もスポンジも要りません。帰宅後に1分、ホースで下回りとホイール周辺に水をかけるだけで塩分の大半は流れます。これを毎回の習慣にするだけで、何もしないよりずっとマシです。
洗車機の下回り洗浄オプションを使う:コイン洗車場でもガソリンスタンドでも、下回り洗浄オプション付きのコースを選んで走り込むだけです。500〜800円で数分。給油のついでにGSで通すのが一番手軽です。自分では洗いにくい下回りをまとめてケアできます。月1回でも効果があります。
ボディのピカピカは後回しでいい:ワックスがけや手洗い洗車は、塩害対策としての優先度は高くありません。ボディを磨く前に、下回りの塩分を流すことの方が車の寿命に直結します。
先輩の車が心配
先輩はステーションワゴンで毎週砂浜に行きます。アミエビを急ブレーキでこぼした話は別の記事で書きましたが、車内の臭いはドクターデオで復旧したそうです。
ただ下回りの塩害については聞いたことがないので、多分何もしていないと思います。投げ釣りで砂浜を歩きながらジャリメを使っているので車内は臭わない。でも毎週砂浜の近くに駐車して潮風を浴びている。
先輩の車の下回りが今どういう状態になっているか、次に会ったとき聞いてみます。答えによっては記事を更新します。

葵ちゃんのまとめ
塩害の進行度は車の年式・塗装状態・走行環境によって異なります。下回りの状態が心配な場合は、ディーラーや整備工場での点検をお勧めします。
わたしも洗車は面倒だと思っています。釣りから帰ってクーラーボックスを洗って、タックルを片付けて、リールを流して、そこで力が尽きます。洗車は来週でいいか、になる気持ちはよく分かります。
でも下回りの塩害は見えないところで進みます。気づいたときには修理費用が高額になっているか、車検が通らなくなっているか。車内の臭いは自分で気づけるけれど、下回りの錆は気づけないまま進行します。
月2回、コイン洗車場の下回り洗浄オプション付きコースに入るだけでいいです。それだけで全然違います。帰り道に寄り道する習慣を1つ作るだけ。釣具の手入れと同じ感覚で、車の手入れも「使ったら洗う」が基本です。
釣具の手入れと片付け →
アミエビ・オキアミを車にこぼした話 →