エギングで釣果が変わる話|フォール・着底・アタリの取り方

「シャクってるのに釣れないんですけど」

エギングを始めたお客さんからよく聞く言葉です。YouTube見てシャクリ方は覚えた、エギも揃えた、でも釣れない。

原因のほとんどは、シャクリではなくフォールにあります。

アオリイカがエギを抱くのは、シャクっているときではありません。フォール中——エギが沈んでいく時間です。シャクリはイカに気づかせるための動作で、抱かせるのはフォールの仕事です。

にもかかわらず、多くの初中級者がシャクリに集中してフォール中の管理が甘くなっています。シャクった後に次のシャクリのタイミングを考えている——その間にイカが抱いて、離しています。

わたしもエギングを始めて最初の半年くらいはシャクリばかり気にしていました。フォールの意味が分かってから、明らかに釣果が変わりました。


フォールには2種類あります

エギングのフォールは大きく2種類に分かれます。それぞれの特徴と使い所を整理します。

フリーフォール

シャクった後にラインをフリーにして、エギが自重で真下に落ちていく方法です。エギ本来の沈下速度に近いスピードで、ほぼ真下に沈みます。

メリット

エギの姿勢が自然で、スレたアオリイカや警戒心が高い個体に対して有効です。ラインテンションがかかっていないため、イカがエギを抱いても違和感を感じにくく、長く抱えていることが多いです。またほぼ真下に落ちるためエギが手前に寄りにくく、一回のキャストでシャクれる回数が増えます。

デメリット

アタリがラインの動きにしか出ないため、慣れないと分かりにくい。着底も感じ取りにくい。夜間や風が強い状況ではラインが見えにくくなり、アタリを見逃しやすいです。

アタリの取り方

海面のラインの動きを見ます。フォール中に一定の速度で入っていたラインが急に速くなる・止まる・横に走る——これがアタリのサインです。偏光グラスがあるとラインが見やすくなります。

テンションフォール(カーブフォール)

シャクった後にラインを張った状態でエギを沈める方法です。エギが斜め前方にカーブを描きながら沈んでいきます。多くのエギンガーが主体にしているフォールです。

メリット

アタリが竿先と手元に直接伝わります。夜間でも手元の感触でアタリを取れるため、視覚に頼れないナイトゲームに向いています。

デメリット

エギが手前に向かって斜めに進むため、一回のキャストで攻められる範囲が狭くなります。また風やウネリがある日は波の影響がラインを通してエギに伝わり、エギの頭が不自然に振れやすくなります。活性が低いイカは違和感を感じて抱いてこない場合もあります。

状況での使い分け

状況 向いているフォール
日中・澄み潮・スレている フリーフォール
夜間・視界が悪い テンションフォール
風が強い・荒れている テンションフォール
活性が高い・数釣り どちらでも可
藻の隙間をピンポイントで攻める フリーフォール

わたしは基本テンションフォールで入って、反応がなければフリーフォールに切り替えます。「テンションで反応がない→フリーに変えたら抱いた」という経験が何度かあって、イカがラインのテンションを嫌がっていたのだと後から分かりました。どちらか一方だけに固定しないのが大事だと思っています。


着底の確認——できていない人が多いポイント

着底を確認せずにシャクっている人が意外と多いです。

底が取れていないと、エギが宙に浮いた状態でシャクり続けることになります。底付近にいるアオリイカにエギが届いていません。着底確認は基本ですが、特にフリーフォールでは意識的に確認する必要があります。

カウントダウンで水深を把握する

エギのパッケージには沈下速度が記載されています(例:3.5号ノーマルで約3秒/m)。着水後からカウントを始め、底に着くまでの秒数を計ります。

一度水深を把握してしまえば、次のキャストからは「○秒でカウントダウン終了」と判断できます。わたしは新しいポイントに入ったら最初の数投は必ずカウントを取って水深を確認します。これをやるかやらないかで、その後の効率がかなり変わります。

ラインが止まる・たるむ感触

フォール中にラインの入り方が急に止まる、または竿先のテンションが抜ける感触が着底のサインです。この変化を感じたらすぐにシャクってください。着底したまま放置するとエギが砂に埋もれたように見えてアオリイカが見失います。

着底直前でテンションフォールに切り替える

フリーフォールで落として、着底する直前にテンションフォールに切り替えると毎回しっかり着底を感知できます。フリーフォールのメリットを活かしつつ、着底の分かりにくさを補う方法です。わたしが一番多用しているのがこのやり方です。


シャクリ直後の3秒が最もアタリが出やすい

シャクってフォールが始まった直後——特に最初の3秒ほどがアタリの集中するゴールデンタイムです。シャクリで跳ね上がったエギが高い位置から沈み始めるタイミングで、活性の高い個体が一番反応しやすい瞬間です。

このタイミングでやってはいけないことがひとつあります。エギの頭(アイ)を不自然に動かすことです。

シャクった後に弛んだラインを回収する際、タイミングが遅れると1秒後にエギを引っ張ってしまい、エギが不自然な動作をします。アオリイカはこの違和感を察知して近づいてこなくなります。シャクった直後に素早くラインのフケを取り、エギが沈む態勢に入った瞬間にはテンションがかかっている状態を作るのがコツです。

始めた頃に数が伸びない理由のほとんどは、このシャクリ直後の3秒のエギの姿勢に問題があることが多いです。


エギの噛み跡を必ず確認する

数回シャクったら、エギを回収してカンナと布の状態を確認してください。

布に丸い穴が開いていたら、アオリイカが抱きついて噛んだ跡です。アタリが分からなかったということは、近くにイカがいるにもかかわらず逃してしまったということです。同じポイントで集中力を上げて続けてください。

噛み跡があった場合の対処は2つです。フォールの管理を見直す(アタリを見逃していた可能性)か、エギをローテーションして別のカラー・フォールスピードを試します。

噛み跡を見つけたときの気持ちは複雑です。「イカがいた」という嬉しさと「逃した」という悔しさが同時に来ます。でもこれは「読みが合っていた」という証拠でもあるので、次の判断の精度を上げる材料になります。何も起きないよりずっといいです。


アワセのタイミング

エギングのアワセは「向こうアワセで十分」と言われることがありますが、わたしはアワセを入れた方がいいと思っています。ロッドを煽る程度の「ソフトアワセ」で針がかりが安定します。大きくアワセすぎるとラインが切れる可能性があるので力加減は注意してください。

アタリのパターンは主に2種類あります。

重みが乗る:フォール中にずっしりと重くなる感触。イカがエギを抱いて重量が加わっています。

フッと軽くなる:テンションフォール中に急にラインが緩む感触。イカがエギを抱いてラインのテンションが変化しています。

どちらのパターンでも、感じたらすぐにロッドを煽ってください。アワセが遅れるとカンナが刺さる前にイカが離します。


潮の流れとエギの向きを意識する

潮が流れているとき、エギは流れに押されて向きが変わります。この状態でシャクっても、エギが不自然な角度で跳ね上がるだけです。

自分の立ち位置・ロッドの向き・ラインの向き・エギの位置をできるだけ一直線に保つことが理想です。潮の流れを読んで、エギがどの方向に流されているかを常に意識してキャストの方向とシャクリの角度を調整してください。

潮上にキャストして、潮に乗せながらフォールさせる——これがエギングの基本的な流れです。潮下にキャストするとエギが手前に寄ってきやすく、シャクれる回数が減ります。


葵ちゃん

葵ちゃんのまとめ

エギングを始めて6年、いまだに「完璧にできた」と思える日はありません。フォールの管理もアタリの取り方も、毎回少しずつ修正しています。

わたしがエギングで一番大事にしているのは、釣れた日も釣れなかった日も「なぜ」を考えることです。フリーフォールで抱いたなら、テンションフォールでは何がダメだったのか。噛み跡があったのにアタリが取れなかったなら、ラインの管理のどこが甘かったのか。

読みが当たって1杯釣るのと、偶然シャクリに乗ってきた1杯は、嬉しさの種類が違います。前者は「次も同じ判断で釣れる可能性がある」と思えるからです。

この記事に書いたことは、わたし自身が試行錯誤してきたことの整理です。フォールに集中すること、着底を確認すること、シャクリ直後の3秒に注意すること、噛み跡を確認すること——この4つを意識するだけで、同じ釣り場・同じエギでも結果が変わるはずです。

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各釣り場の利用ルール・立入禁止情報は変更になることがあります。訪問前にTsuricastの詳細ページで最新情報をご確認ください。夜釣りの際はライフジャケットを必ず着用してください。