UVカットウェアの効果は何シーズン持つのか|後加工と繊維練り込みの違い
3年前に買ったUVパーカー、効いていますか
去年も一昨年も愛用していたUVカットのパーカー。色も気に入っていて、サイズもちょうどよくて、そろそろ4年目のシーズンに突入しようとしている——そのパーカー、まだ紫外線をブロックできていますか?
UV完全防御ガイドで書いたように、釣り場の紫外線は想像以上です。せっかくUVカット機能つきのウェアを買っても、その機能が切れていたら普通の服を着ているのと同じです。気づかないうちに「効いている気分」で日焼けしているケースは普通にあります。
UVカットウェアの寿命は、実は「素材の種類」で大きく変わります。同じUVカットと書かれていても、後加工タイプと繊維練り込みタイプで耐久年数は全然違う。釣り人にとっては死活問題なので、整理しておきます。
UVカットには2種類ある
UVカットウェアは大きく2つに分かれます。
① 後加工タイプ
生地が完成した後で、紫外線吸収剤や反射剤をスプレー・コーティングで塗布したもの。
メリット:安価で大量生産しやすい。一般的なファストファッションのUVウェアは大半がこのタイプ。
デメリット:洗濯・摩擦・水濡れ・汗で加工が落ちていく。寿命は2〜3年が目安。長くて3年、短いと1〜2シーズンで効果が大きく落ちます。
東レによると、後加工のUVカットは「雨で濡れたり、手で触ったり、汗が付着することを理由に劣化する」とされています。釣り人は汗をかくし潮風を浴びるし、洗濯頻度も高い——劣化要因のすべてを浴びる使い方をしています。
② 繊維練り込みタイプ
繊維を作る段階で紫外線吸収剤を糸に練り込んだもの。素材そのものがUVカット機能を持っています。
メリット:洗濯・摩擦・水濡れで効果がほとんど劣化しない。生地そのものが劣化するまで効果が持続する。実用上は5年以上、生地が破れるまで持ちます。
デメリット:価格が高め。表記を確認しないと一般人には見分けにくい。
東レが「機能糸の生地は水濡れや摩擦でほとんど性能が劣化しない」と公式に説明しています。釣り人にとっては圧倒的に練り込みタイプが有利です。
どちらかを見分ける方法
買う前に確認できる情報があります。
価格帯
後加工タイプ:1,000〜3,000円のレンジが多い。ファストファッション系のUVカット製品はほぼこれ。
繊維練り込みタイプ:3,000円以上、特に5,000円を超えるアウトドアブランドのUVウェアはこのタイプが多い。アパレル系よりアウトドアメーカー製品が信頼できる傾向。
表記の見方
商品タグ・公式サイトに「UPF(紫外線保護指数)」が記載されているかチェックしてください。UPF50+などの数値が明記されている製品は、検査を通してUVカット性能を保証しています。
「素材自体にUVカット効果」「繊維にUVカット機能を練り込み」「機能糸使用」などの表記があれば練り込みタイプ。
「UVカット加工」「UVカット仕上げ」「日焼け防止加工」といった表記の場合は後加工タイプの可能性が高いです。
ブランドで判断
ワークマン・ユニクロ・GUといった大量生産系は後加工タイプが多い傾向。 モンベル・パタゴニア・コロンビアといったアウトドアブランドは繊維練り込みタイプの製品が多い傾向。
ただし同じブランド内でも製品により異なるので、最終的には商品タグでの確認が必要です。
釣り人にとってどう選ぶか
ここからは選び方の現実的な判断です。
頻繁に着るUVウェア(夏のメイン1〜2着):繊維練り込みタイプ。多少高くても、5年以上使えるなら年あたりのコストは安い。
たまにしか使わないサブ品:後加工タイプで十分。シーズン1回しか着ないなら2〜3年持てば元は取れる。
子供用、成長して着られなくなるもの:後加工タイプでOK。子供は2年で体格が変わるので、機能寿命より身体寿命の方が先に来る。
毎週海に行く方:絶対に繊維練り込みタイプ。後加工タイプは毎週の洗濯と汗で1シーズンで効果が落ちます。
長持ちさせる扱い方(特に後加工タイプの場合)
後加工タイプでも、扱い方次第で寿命を延ばせます。
洗濯ネットに入れる:摩擦を減らすことで加工の剥離を防ぎます。
乾燥機を使わない:高温で加工剤が劣化します。陰干しが理想です。
洗濯回数を最小限に:着るたびに洗濯するのではなく、汗を吸ってなければ風通しのいい場所で乾かして再着用するなど、洗濯頻度を抑える工夫を。
漂白剤は使わない:化学的に加工剤を分解します。釣りウェアに漂白剤を使う場面はあまりないと思いますが、念のため。
高温アイロンを避ける:加工剤が熱で変質します。アイロンをかける場合は低温で。
繊維練り込みタイプはこういった気遣いがほぼ要りません。生地そのものが劣化しなければ機能も維持されるので、普通に洗濯機で洗えます。
「もう効いていない」と判断するサイン
明確な判断基準は素人にはありません。UVカット率を測定する機器が家庭にないので、感覚的な判断になります。
判断材料として、
色あせている:紫外線で色素が抜けているということは、繊維も紫外線でダメージを受けている可能性。UVカット機能も低下していると考えていい。
生地が薄くなった:物理的に薄くなった生地は、紫外線も透過しやすい。
3シーズン以上使った後加工タイプ:購入時の表記を見て後加工と分かっている場合、3シーズン目以降は効果が大きく落ちていると考えるのが安全。
着ると日焼けする実感:これが一番分かりやすい。「このウェアを着ているのに腕が焼ける」と感じたら、機能が切れているサインです。

葵ちゃんのまとめ
本記事は東レ等の繊維メーカーの公式情報、および一般的な繊維知識をもとにしています。製品ごとの具体的な耐久性は素材・加工方法・使用環境によって異なります。長期使用を想定する場合は、製品タグやメーカー公式情報をご確認ください。
UVカットウェアを選ぶときは、機能寿命をセットで考えてください。2,000円で買って2年使うのと、6,000円で買って6年使うのは、年あたりコストではほぼ同じ。むしろ後者の方が買い替えの手間がないだけマシです。
わたしは釣行用に繊維練り込みタイプのUVパーカーを使っています。表記で「機能糸」「素材自体にUVカット機能」と書いてあるものを選びました。3年使っていますが、洗濯しても色あせも機能低下もまだ感じません。
UV完全防御ガイドで書いた通り、釣り場のUV対策は装備で決まります。せっかく装備しているのに機能が切れていたら本末転倒です。買うときに5分かけて表記を確認するだけで、その後の数年が変わります。
3年前のUVパーカーがまだクローゼットにある方は、購入時のタグを引っ張り出して確認してみてください。「UVカット加工」と書いてあったら、今シーズンの主力からは外した方が無難です。
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