釣りで腰がやられる人へ|座る釣りと立つ釣りで対策が違います
先輩は座って釣る、わたしは立って釣る
先輩のキス釣りは引き釣りスタイルです。仕掛けを投げて、サビいて、止めて、また少しサビいて——という動作を繰り返します。置き竿にするとヒトデや砂底の住人にやられるので、基本は手持ちで連続して引いてくる釣り方です。
そんな引き釣りでも、先輩はクーラーボックスに座ったまま竿を握っています。座って釣れる釣りなので、長時間でも体への負担は比較的軽いです。
わたしのエギングはそうはいきません。シャクって、フォールさせて、また投げて、ランガンしながら次のポイントへ移動する。座る暇がありません。気がつくと5時間立ちっぱなしで、翌日に腰が固まっています。
「釣りで腰が痛い」は、釣りのスタイルによって原因が違うことが多いです。座る釣りと立つ釣りでは対策が真逆になります。
座れる釣りの場合:座り方の問題
投げ釣りの引き釣り、サビキ、ぶっこみ釣り、穴釣り——竿を手持ちで動かしながらも、座って釣れる釣りがあります。座れるから楽——と思いきや、長時間同じ姿勢で座り続けるのは別の負荷を腰にかけます。
クーラーボックスに座る場合
先輩のスタイルです。釣りの荷物が椅子を兼ねていて、追加装備が不要なのが利点。
ただしクーラーボックスは座面が硬く、長時間座ると尾骶骨と腰に負担が来ます。座布団かタオルを敷くだけで体感が変わります。
クーラーボックスの高さも重要です。低すぎると腰が深く曲がって負担が増えます。膝の角度が90度くらいになる高さが理想で、市販のクーラーボックスでこの高さに合うのは40〜50リットルクラスが多いです。10リットルで1キロ持ち帰れるキス釣りに50リットルはないですね。
折りたたみチェアを使う場合
釣り用の折りたたみチェアは、軽量で背もたれ付きのものが多くあります。背もたれがあるだけで腰の負担は劇的に減ります。
ただし荷物が増えるのと、釣り座のスペースを取るのが難点。混雑する堤防では使いにくいです。
ぶっこみ釣りのように待ち時間が長い釣りなら、荷物の追加を許容できれば優雅にコーヒーを飲みながら過ごせます。待つ時間を楽しむ釣りには向いている道具です。
座椅子・低座椅子
地面に直接座るスタイル用の道具。砂浜での釣りに向いていますが、堤防のコンクリートには硬すぎます。
立ち続ける釣りの場合:体の使い方の問題
エギング・ルアー・ウキフカセなど、キャストとアクションを繰り返す釣りは立ちっぱなしです。腰がやられる原因は、
同じ姿勢の維持:5時間ほぼ同じ位置に立っていると、腰回りの筋肉が固まります。
シャクリ動作の繰り返し:竿を上下に動かす動作で腰を使います。シャクリは腕だけでなく体幹で行うので、腰への負荷が蓄積します。
硬い地面:堤防のコンクリート、テトラの上、岩場——どれも足裏のクッションがゼロです。衝撃が直接腰に来ます。
片足重心:知らないうちに片方の足に体重が偏ることがあります。長時間続くと骨盤が歪みます。
対策
体重移動を意識する:左右の足に交互に体重を乗せる。30秒ごとに切り替えるくらいでちょうどいいです。
立ち位置を30分〜1時間ごとに変える:同じ場所に立ち続けない。少し移動するだけで体への負荷が分散されます。エギングならどうせポイントを変えるので、自然な動きとして組み込めます。
屈むのではなくしゃがむ:仕掛けを直すとき、クーラーから飲み物を取るとき、腰を曲げるのではなく膝を曲げてしゃがんでください。腰を曲げる動作の累積が、5時間後の腰痛を作ります。
ストレッチを挟む:30分〜1時間に1回、軽く腰を回したり、前後屈を1分やるだけで翌日の状態が変わります。「釣り中にストレッチ?」と思うかもしれませんが、釣れない時間は十分にあります。
靴の選び方:クッション性のあるソールの靴を選んでください。アウトドアブランドのトレッキングシューズ、釣り専用のフィッシングシューズが向いています。スニーカーでもクッションが厚いタイプを。スリッパサンダルや薄底のスニーカーは長時間立ちには向きません。
帰宅後のケア
釣行中の対策をしても、5時間立っていれば腰は疲れています。帰宅後のケアで翌日が変わります。
風呂で温める:シャワーで済まさず、湯船に10〜15分浸かってください。腰回りの血流が回復します。
ストレッチ:風呂上がりに前屈・後屈・腰回し・腿のストレッチを各30秒。お風呂で温まった状態だと筋肉が伸びやすいです。
寝るときの姿勢:仰向けで膝の下にクッションを入れる、または横向きで膝の間にクッションを挟むと、腰への負担が減ります。
翌日も痛むなら:2〜3日以上腰痛が続く、痺れや脚の違和感がある場合は、無理せず整形外科や整骨院に行ってください。釣り由来の腰痛は軽視されがちですが、ヘルニアの初期症状の可能性もあります。
釣り場以外でやれること
釣りの腰痛は、釣り場での対策だけでは限界があります。普段の体作りも大事です。
体幹のトレーニング:プランクや軽いストレッチを習慣にするだけで、釣行時の腰の安定感が変わります。
ウォーキング:日常的な歩行量が少ない人ほど、釣りの長時間立ちでダメージが蓄積します。
重量物の持ち方:日常生活で重い物を腰で持ち上げる癖がある人は、釣り場でも同じ動きをしています。膝を曲げて持ち上げる習慣を。

葵ちゃんのまとめ
本記事は一般的な体のケアの情報をまとめたものです。慢性的な腰痛・痺れ・脚の違和感がある場合は、医師の診察を受けてください。
エギングで5時間立ちっぱなしの後、腰が固まっているのに気づかず帰宅して、翌朝起き上がるときに「あ」と固まる。これを何度か経験してから、釣り中のストレッチと立ち位置の変更を意識するようになりました。
先輩はクーラーボックスに座って5時間釣りをしますが、別の意味で腰が固まっているはずです。座りっぱなしと立ちっぱなし、どちらも腰には負荷です。
ちなみに先輩は「最近、しゃがんだら立つのが大変」と言っていました。年齢の話はしないでおきます。
体は釣りの道具と同じです。使ったら手入れする。普段から整える。これだけで楽しく釣りを続けられる年数が変わります。釣り道具より自分の体をオーバーホールしてください。
釣具の手入れと片付け →
リールのオーバーホール →