この魚、なんですか?|釣れた魚の調べ方と外道図鑑

釣具店で毎日聞かれる質問があります

「この魚なんですか?」

釣具店のカウンターで、スマホの写真を見せながらこう聞いてくれる方が毎日います。写真を見て「これはヒイラギですね」「メゴチです」「これはハオコゼなので触らないでください」と答えるのも仕事のうちです。

知らない魚が釣れた瞬間の反応は大きく2つに分かれます。「わ、なんか釣れた!」という嬉しい反応と、「触っていいの?毒ある?」という不安な反応。どちらの気持ちも正しいです。

この記事では、釣れた魚を調べる方法と、堤防・砂浜でよく釣れる「なんだこれ」な魚の特徴を整理します。


まずGoogleレンズを使ってください

最速の同定方法はGoogleレンズです。GoogleアプリをインストールすればiOSでもAndroidでも使えます。アプリを起動してカメラアイコンをタップ、魚を撮影するだけで魚種を検索できます。

精度は完璧ではありませんが、堤防で釣れる一般的な魚なら8割くらいの確率で正しい答えが出ます。「ヒイラギ」「カワハギ」くらいの一般的な魚はほぼ正確に同定できます。

Googleレンズが使えない環境や、結果が怪しいと感じた場合は、近くの釣具店に竿を持ったまま立ち寄って見せてもらうのが確実です。写真を見せれば大抵の魚は分かります。


食べられるか・触っていいかの判断フロー

魚種を調べる前に、最低限これだけ確認してください。

フグっぽかったら触らず逃がす

丸くて口が小さくてトゲトゲしている、またはパンパンに膨らんでいる——フグの仲間の可能性があります。フグは種類によって毒を持っており、調理免許なしに食べることは非常に危険です。見た目でフグと判断したら、針を外して海に返してください。針を外すときも素手で触らずプライヤーを使ってください。

背ビレや胸ビレに鋭いトゲがある

トゲが鋭い魚は毒を持っている可能性があります。特に注意が必要なのはハオコゼ・アイゴ・ゴンズイ・オコゼです。これらは刺されると激しく痛みます。触る前に魚の形をよく見て、トゲが鋭そうな場合はプライヤーで針を外してください。

毒魚に刺されたときの対処法は、以下の専門サイトが詳しいです。

それ以外は触っても大丈夫な場合がほとんど

堤防・砂浜で釣れる魚の大多数は毒を持っていません。ぬるぬるしていても、変な色をしていても、フグでもトゲ毒魚でもなければ素手で触って問題ありません。


堤防・砂浜でよく釣れる「なんだこれ」な魚10種

釣具店で同定依頼が多い魚を紹介します。

ヒイラギ

特徴:銀色で平べったい、木の葉のような形。体が透き通って見えることもある。ヒレのトゲが鋭いので要注意。

食べられる?:食べられます。唐揚げや素揚げが美味しい。ただし小骨が多く、食べやすくはない。

よく釣れる状況:サビキ・ちょい投げの外道として頻繁に登場。群れで来ることが多い。


メゴチ(ネズッポ)

特徴:砂色・茶色のまだら模様で平べったい。ヒラメを小さくしたような形。体表がぬるぬるしている。

食べられる?:食べられます。江戸前天ぷらの定番食材。ぬるぬるの処理さえすれば天ぷらにすると美味しい。

よく釣れる状況:投げ釣りの外道の代表格。ぬるぬるの記事も参考に。


ギマ

特徴:カワハギに似ているがやや細長い。体が硬くてざらざらしている。トゲが1本ある。

食べられる?:食べられますが、カワハギほど美味しくはないという評価が多い。

よく釣れる状況:カワハギ釣りやサビキの外道として釣れることがある。


フグ(各種)

特徴:丸っこい体、小さな口、歯が目立つ。種類が多く、クサフグ・コモンフグ・ヒガンフグなどが堤防でよく釣れる。エサをかじる名手なので仕掛けを荒らす。

食べられる?:素人判断で食べないでください。フグは種類によって毒の有無と部位が異なり、正確な判断には免許が必要です。釣れたらリリース一択です。

よく釣れる状況:投げ釣りのエサ取りとして全国で釣れる。先輩の最大の敵。


ネンブツダイ

特徴:赤みがかったオレンジ色の体に黒い斑点。小型で5〜10cm程度。見た目が鮮やかで目を引く。

食べられる?:食べられますが、小骨が多く身が少ないので積極的に食べる魚ではない。

よく釣れる状況:テトラや根周りでサビキをすると大量に釣れることがある。群れで行動する。


カワハギ

特徴:独特の菱形の体に小さな口。目の上にツノ(棘)がある。皮が硬くてざらざら。

食べられる?:食べられます。白身で上品な味で、肝が美味しいことで有名。釣り人には人気の高い魚です。

よく釣れる状況:エサ取りの名人で、投げ釣りやサビキの外道として登場するが、専門に狙う釣り人も多い。


ベラ(各種)

特徴:派手な色合い(青・緑・赤・オレンジが混じることが多い)。細長い体。キュウセンとホンベラが堤防でよく釣れる。

食べられる?:食べられます。食感がよく、煮付けや塩焼きで美味しい。見た目の派手さから捨てる人が多いですが食べて損はない。

よく釣れる状況:サビキ・ちょい投げ・ウキ釣りの外道として全国的に釣れる。


ハオコゼ

特徴:小さく地味な色(茶色〜灰色)。背ビレのトゲに毒がある。見た目は地味で見落としやすい。

食べられる?:食べられますが、積極的に狙う魚ではない。

⚠️危険:背ビレのトゲに毒があります。素手で触らないでください。プライヤーで針を外して海に返すのが安全です。刺されると激しく痛み、腫れます。

よく釣れる状況:テトラや岩場周りでよく釣れる。小さいので見落として素手で触ってしまうケースが多い。


コトヒキ

特徴:銀色の体に黒い横縞が数本。タイのような形。見た目はきれい。

食べられる?:食べられます。白身で淡白な味。

よく釣れる状況:投げ釣りの外道として夏場に釣れることが多い。先輩の野比海岸レポートで登場した魚です。


アイゴ

特徴:楕円形の平たい体。背ビレ・腹ビレ・尻ビレに鋭いトゲがある。成魚は30cm前後になることもある。

食べられる?:食べられます。内臓の処理を丁寧にすれば美味しい魚ですが、臭みが出やすく扱いに慣れが必要。

⚠️危険:背ビレ・腹ビレ・尻ビレ全てのトゲに毒があります。刺されると激しく痛みます。素手では絶対に触らないでください。プライヤーでの針外しが必須です。

よく釣れる状況:堤防のサビキ・ウキ釣りの外道として釣れる。秋に多い。


魚の名前が分かったら

魚種が分かったら、Tsuricastの魚種ページで詳細を確認できます。生態・釣り方・食べ方をまとめています。

Tsuricastの魚種一覧 →


葵ちゃん

葵ちゃんのまとめ

「この魚なんですか」と写真を見せてもらうのは、正直なところ楽しい仕事です。普段あまり見ない魚が釣れていると「お、珍しい」と思うし、「これ食べられますか」という質問には「食べてみてください、意外と美味しいですよ」と答えたくなります。

判断に困ったらGoogleレンズ、それでも分からなければ近くの釣具店に写真を送ってください。「触っていいかどうか分からない」という場合は、プライヤーで針を外して逃がすのが一番安全な判断です。

釣れた魚を全部キープしなくていいです。持ち帰って食べる魚だけ持ち帰って、それ以外は元気なうちに返してください。


魚の同定は写真の角度・品質・個体差によって難しい場合があります。確信が持てない場合は、近くの釣具店・漁協・水産試験場にご相談ください。毒魚に刺された場合は速やかに医療機関を受診してください。