釣り人が知っておきたいマリンスポーツの話|サーフィン編
砂浜でよく見かけるあの人たちは、何をしているのか
海釣りに行くと、砂浜や海岸にサーファーがいることがよくあります。
特に湘南や千葉、伊豆、三重の海岸線では、夏だけでなく通年を通して見かけます。
「板みたいなのを持って、波に乗っている」
「ときどき波に飲まれて、また沖に向かって泳いでいく」
そういうふんわりした認識で、釣り人の多くはサーフィンを見ています。
でも、サーファーたちの動きにはちゃんとルールがあって、
そのルールを知っておくと、砂浜での釣り場選びや、
サーファーとのやりとりが少し楽になります。
サーフィンとは何か
サーフィンは、サーフボードと呼ばれる板に乗って、
波のエネルギーを使って岸へと滑走するスポーツです。
沖でウネリを待ち、波が崩れ始めるタイミングに合わせてパドリングで加速し、
ボードの上に立って(テイクオフ)、波の斜面を滑り降りながら技を決める。
シンプルに見えますが、波を読む力・体力・バランス感覚が必要な本格的なスポーツです。
日本での競技人口は多く、2021年の東京オリンピックから正式競技に採用されています。
国内の統括団体は公益社団法人 日本サーフィン連盟(NSA)で、
競技規則の制定や公認スクールの運営、安全指導員の育成なども行っています。
サーファーの間にある「ルール」
サーフィンには、釣り人がほとんど知らない独自のルールがあります。
これを知っておくと、砂浜での状況が少し見えてきます。
ピーク優先(ワンマンワンウェーブ)
サーフィンの最も基本的なルールは、1つの波に乗れるのは1人ということです。
そして、波が最初に崩れ始める地点(ピーク)に最も近いサーファーが、
その波に乗る優先権を持ちます。これを「ピーク優先」といいます。
ピーク優先権を持つサーファーがすでに乗っている波に後から入ることを
「前乗り(ドロップイン)」と呼び、これは重大なルール違反です。
事故やトラブルの原因になるため、サーファー同士では厳しく見られています。
ローカル優先という文化
法律上のルールではありませんが、長年そのポイントに通っているローカルサーファーを
ビジターより優先する、という文化的な慣習があります。
地元のサーファーが多いポイントでは、よそから来た人が肩身の狭い思いをすることも。
これは釣り場の常連優先の空気感と、少し似ています。
釣り人とサーファーの棲み分け
砂浜での釣りとサーフィンは、基本的に同じ海岸を使っています。
お互いの動きを知っておくと、不要な摩擦が減ります。
サーファーの動線を理解する
サーファーは沖に向かってパドリングし、波に乗って岸に向かって戻ってきます。
この「沖へ出る・岸に戻る」の動線上に仕掛けや釣り糸があると、
絡まったり引っかかったりするリスクがあります。
サーフィンがよく行われるエリアでは、
投げ釣りの仕掛けをそのラインに向けて投げないことが現実的な対応です。
サーファーがいる場所は、波があって魚が薄い
サーファーは波が立つ場所を好みます。
逆に釣りのポイントは、波が穏やかで潮の流れが複雑なところが多い。
エリアが自然と分かれることも多いので、あまり重なることはないですが、
砂浜が狭いポイントや潮の向きによっては近くなることがあります。
海水浴シーズンはゾーニングに注意
夏の海水浴場では、時期・時間帯によってサーフィン禁止のエリアがあります。
同様に、海水浴客がいる時間帯に砂浜で投げ釣りをすることも制限される場合があります。
現地のルール表示を確認してから釣り場を決めてください。
店長の結論
サーファーは「なんとなくいる人たち」ではありません
砂浜でサーファーを見たとき、何をしているか少し分かると、
彼らの動きが読めるようになります。
あの人は今、波待ちをしている。
あの動きはパドリングで沖に出ている。
あそこに人が集まっているのは、波が立つポイントがあるから。
そういう目で見ると、釣り場の選び方も少し変わります。
サーファーが集まっている場所は波が強く、
少し離れた波の穏やかなエリアの方が釣りには向いていることも多いです。
海は広く、使い方も様々です。
お互いの文化を少し知っておくだけで、一日がずいぶん気持ちよくなります。
各海岸のサーフィンや釣りに関するルールは、地域や季節によって異なります。現地の表示やルールを必ず確認してください。サーフィンについての詳細は公益社団法人 日本サーフィン連盟(NSA)公式サイトをご参照ください。