クーラーボックスの隅に入れておく「もしもの時」の秘密道具
荷物は増やしたくない。でも備えたい。
釣りの荷物はただでさえ多いです。竿、リール、仕掛け、エサ、クーラーボックス、飲み物、日焼け止め——これに加えて「もしもの時」の装備まで持っていくと、車から釣り座まで何往復する気かという話になります。
でも実際に困る場面はあります。急に風が出て体が冷えた。指を針で刺して血が止まらない。靴下がびしょ濡れになって帰りの車が不快。波を被って全身ずぶ濡れ。
わたしは「荷物は増やしたくないけど備えたい」派です。解決策はシンプルで、「コンパクトにたためるものだけを、すでに持っていく荷物の隙間に入れておく」こと。専用のバッグを追加するのではなく、クーラーボックスのサイドポケットやタックルバッグの底に忍ばせておく。存在を忘れるくらいの大きさで、必要な時にだけ出てくる秘密道具です。
釣り場に持っていくもの
コンパクトウインドブレーカー
わたしがクーラーボックスのサイドポケットに常備しているのがこれです。登山用のめちゃくちゃコンパクトになるウインドブレーカー。手のひらサイズに畳めて、重さは100g前後。
春や秋の釣りで「朝は穏やかだったのに昼から急に風が出た」という場面はよくあります。春の服装の記事で3レイヤーの話を書きましたが、アウターを脱いで釣りをしていたときに急な風に対応できるのがこの1枚です。
夏でも夕方に海風が冷たくなることがあります。薄いウインドブレーカー1枚で体感が全然違います。
ポイズンリムーバー
夏のサバイバルガイドでも触れましたが、ブヨ・ヌカカに刺された時、毒魚に刺された時の応急処置に使えます。小さな注射器のような形状で、タックルバッグのポケットに入るサイズです。使う機会がないのが一番ですが、使う場面が来たときに持っていないと後悔します。
絆創膏と消毒液(ミニサイズ)
針で指を刺す、魚のヒレで手を切る、牡蠣殻で足をこする——釣り場での小さな怪我は日常的に起きます。絆創膏5〜6枚と消毒液の小さいボトルをジップロックにまとめてタックルバッグに入れておくだけ。
防水タイプの絆創膏を選んでください。普通の絆創膏は海水で剥がれます。
ビニール袋(数枚)
使い道が無限にあります。ゴミを入れる、濡れたものを分離する、急な雨でスマホを守る、エサの汁漏れを防ぐ。45リットルの大きいものを1枚と、スーパーの袋サイズを数枚。たたんでポケットに入れておくだけで場所を取りません。
モバイルバッテリー
スマホは天気の確認、潮汐の確認、Tsuricastのスポットページの確認、緊急時の119番——全部スマホです。バッテリーが切れたら情報も連絡手段も失います。
小型のモバイルバッテリーを1つ。10,000mAhあればスマホをフル充電2回分。タックルバッグに入れっぱなしにしておくだけで安心感が違います。
車に置いておくもの
釣り場までは持っていかないけど、車に常備しておくと助かるものです。
ファーストエイドキット
絆創膏だけでは対応できない怪我に備えて、ガーゼ・テープ・包帯・ハサミ・ピンセットが入った基本的なファーストエイドキットを車に置いておきます。登山用のコンパクトなものが1,000〜2,000円で買えます。
水のペットボトル
飲料とは別に、2リットルの水を1本。手を洗う、傷口を洗い流す、エサの汁を流す、熱中症の応急処置——飲む以外の用途で水が必要になる場面は多いです。
靴下の替え
地味ですが効きます。波を被った、水たまりを踏んだ、朝露で濡れた——靴下が濡れた状態で何時間も釣りを続けると不快ですし、帰りの車が臭くなります。替えの靴下が1足あるだけで快適さが全然違います。
タオル(大判)
バスタオルサイズのものを1枚。波を被ってずぶ濡れになった場合の応急処置、汚れた手を拭く、寒いときに羽織る、車のシートを汚さないために敷く——これも使い道が多いです。
着替え(季節による)
夏場は汗だくになるので着替えが欲しくなります。冬場は波を被った場合に低体温のリスクがあります。Tシャツ1枚と長袖1枚を車に入れておくと安心です。
持ちすぎない判断も大事
ここまで書いておいてなんですが、全部持っていく必要はありません。
大事なのは「この釣り場で起きそうなリスクは何か」を考えて、必要なものだけ選ぶことです。真夏の堤防ならウインドブレーカーは要らないし、車横付けの港なら車に置いてあるもので対応できます。
わたしの基準は「クーラーボックスのサイドポケットとタックルバッグに入る量」です。それ以上は荷物が増えすぎて、釣りの機動力が落ちます。備えは大事ですが、備えすぎて釣りが楽しくなくなったら本末転倒です。
秘密道具チェックリスト
釣り場に持っていく(タックルバッグ・クーラーの隙間に)
| アイテム | サイズ感 | 主な用途 |
|---|---|---|
| コンパクトウインドブレーカー | 手のひら大 | 急な風・冷え対策 |
| ポイズンリムーバー | ペン1本分 | ブヨ・ヌカカ・毒魚 |
| 絆創膏+消毒液 | ジップロック1袋 | 小さな怪我 |
| ビニール袋(大小) | ポケットに入る | 万能 |
| モバイルバッテリー | 手のひら大 | スマホの充電 |
車に常備
| アイテム | 主な用途 |
|---|---|
| ファーストエイドキット | 絆創膏で対応できない怪我 |
| 水2リットル | 洗浄・応急処置 |
| 靴下の替え | 濡れた時の快適さ |
| 大判タオル | ずぶ濡れ対策・汚れ防止 |
| 着替え(Tシャツ+長袖) | 汗・被水時 |

葵ちゃんのまとめ
本記事は釣具店での接客経験と、スタッフの実体験をもとにした内容です。ファーストエイドキットの使用は応急処置であり、症状が重い場合は速やかに医療機関を受診してください。
秘密道具のポイントは「存在を忘れるくらいコンパクトで、必要な時にだけ出てくる」ことです。
わたしのクーラーボックスのサイドポケットには、ウインドブレーカーとビニール袋と絆創膏が入っています。入れたのは去年の春で、ウインドブレーカーは3回出番がありました。絆創膏は5回。ビニール袋は数えきれません。
先輩は車にファーストエイドキットと水と靴下を常備しているそうです。靴下の替えは「濡れた靴下で帰りの車を運転するのがどれだけ不快か、一度経験すると必ず積むようになる」と言っていました。分かる気がします。
荷物を増やしたくない気持ちと、備えておきたい気持ちの折り合いは「隙間に入るサイズかどうか」で判断するのが現実的です。専用バッグを追加したら負けだと思っています。